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感動する話89・「石井十次」 「石井十次」 明治20年(1887)、岡山から5里ほど東南に離れた上阿知に石井十次という医師として勉強中の青年がいた。 十次が手伝いに行っている診療所の隣にはお大師堂があり、いつも巡礼者や身寄りのない人が寝泊まりしていた。 その年の4月のある朝、いつものように十次が大師堂をのぞいてみると、二人の子供を連れた女性のお遍路さんがいた。話を聞くと、その女性は生活が厳しくて借金も重なり、とても暮らしていけないので仕方なく親子5人で巡礼の旅に出たけれども、途中で主人と一番上の娘を病気で亡くしたという。そして彼に頼みました。 「子供一人であれば、どこかの家に雇われて暮らしていけなくもないけれど、子供が二人もいては嫌がられて雇ってくれません。下の子は体が不自由なので、上の子だけでも預かってくれませんか」 十次は心を痛め、悩んだ末、上の子供を預かることにした。このことがきっかけとなり、十次は周囲の反対を押し切って医学の道よりも親のない子供を救うための道を選ぶ。そうして「岡山孤児院」を開設した。22歳の時であった。 明治24年(1891)10月、中部地方一帯にわたる濃尾
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